美食家もとい偏食家

最近眠れないことがしばしばある。そのような時は大概、寝よう寝ようと意識するのだがそれによって逆に眠れなくなるというのはよくある話だ。
どうしても眠れない場合は諦めて、何かしようと考える。

諦めてすることの例

・テレビを観る。
・本を読む。
・絵を描く。
・風呂に入る。
・夜の街へ繰り出す。
・丑の刻参り。
・黒魔術。

一般的にはこんなところか。
夜空を眺めるというのもそれなりに乙なものではあるが、ぼくはそれで一度ならず二度も失敗している。
小学校四年生の時分であったろうか。夏の暑さで寝つけないでいると、何を思ったかベランダへ椅子を出して星でも眺めてやろうと考えた。なかなかにませた小学生である。しかしここが自分の間抜けなところで、うっかり椅子に座ったまま寝てしまったのだ。ふと目をさませば身体中を虫に刺されていた。
冬にも同じことをして次の日に高熱を出し、寝込んだ。当時はひどく叱られて落ち込んだものだったが、今思えば凍死しなかっただけ幸いである。
話を不眠症に戻す。
不眠症には大きく分け、神経症(ノイローゼ)型とうつ病型とがある。
神経症型の場合、寝つきは悪いが一度眠ってしまえばあとはぐっすり眠れて、十分に睡眠がとれる。
うつ病型では寝つきは割とよいが、数時間眠ると夜中に目がさめ、それ以後眠れずに睡眠不足に陥る。こちらが実際に不眠と呼ばれ、前者は何ら病的なものではないと考えられることが多い。
ぼくの場合は不眠と言っても慢性的でなく少なからず眠れているので、病気ではないだろう。
かくいう今も眠れずにこんなものを書いているのだが、まったく眠れない時間とは暇なものである。
誰かそういうときの画期的な暇の潰し方を教えて下さい。