恕性
卒業式でしたの。
ようやく終わったなと云った感じ。
そんなもの。
感動なんてしません。
まぁ、仮にも男子だし。
友達なんかいないし。
狭く浅く。
そういえばね。
近所の飼い猫に、首輪と鎖がつけられましたよ。
雀を狩って来ちゃうからだってさ。
でもね、あの鎖は短すぎです。
塀の近くなんで、日の光も届きません。
最近はぐったりしてますよ。
可哀そうというか、なんというか。
どうしようもなく虚しいです。
そんな気分。
榎本さんに超強力磁石(?)で、耳挟まれて負傷するし。
角煮のせいで900円の損失出ちゃったし。
やっさん居ないし。
後輩全員、勝手に帰ってるし。
漢検落ちたし。
マガジン読んでないし。
フォトフレーム邪魔だし。
弟が卒業証書とか入れるあの筒でポンポンとウルサイし。
色ルギア出ないし。
明日はバナナ買いに行かなきゃならんし。
カモシカからは、バナナはやめろ!って言われてるし。
でも、オリオンはバナナ持ってく気満々だし。
時間は過ぎるし。
風は吹くし。
月は雲に隠れているし。
思い返せば弁当の不味さは相当なものだったし。
陽は、また昇ってしまうだろうし。
星もまた雲に隠れているし。
弟に腹を踏みつけられるし。
爪はのびるし。
ついた嘘の色は赤だとバレるし。
最近、内臓がどす黒くなっていくようだし。
暴食する馬に対して、龍は念仏を唱え始めるし。
身体も徐々に独活の大木に変化して行くし。
そう言えば、あの猫が居なくなっていました。
丁度、今日。
近々、手を借りてみようと思っていたのに。
芋虫のように這いずり回る猫の姿が見たかったのに。